@article{oai:u-ryukyu.repo.nii.ac.jp:02003938, author = {Miyazato, Atsuko and 宮里, 厚子}, issue = {52}, journal = {琉球大学欧米文化論集 = Ryudai Review of Euro-American Studies}, month = {Mar}, note = {モディアノの青少年期を描いた自伝Un Pedigreeは、多くの作家がこれまでに発表してきた自己の青少年時代の人格形成や性の目覚めなどを描いた自伝に比べると、両親の出生からパリでの出会いと自身の21歳までのエピソードが、乾いた、「事務書類的」文体で語られているのが特徴的である。これは、「記憶の番人」として自身の生きた時代の人々と出来事を後世に記録として残しておきたいという、作家としての責任感を反映したものである。一方でこのような記録を刻む(特に両親の家族や交友関係を記述する)作業は、より個人的には、出自が複雑で生き様が不確かな両親の存在を外堀から固めることによって、自分自身のアイデンティティを確認しようとする作業でもある。しかしながら、モディアノはこの作品を通して、青少年期の自己の存在を「血統のない犬」、「密航者」のような人生、「透明な人生」と繰り返し表現し、過去の自分の存在感の不確かで希薄な印象を強調している。本稿では、その印象が何に起因しているのか分析を試み、モディアノの青少年期における「家族」という確かな枠組みの経験の欠如や、父親を含めた過去の人間関係の現在との断絶などがその大きな要因になっていることを示した。, 紀要論文}, pages = {47--58}, title = {L'incertitude de l'existence dans Un Pedigree de Patrick Modiano}, year = {2008} }