@article{oai:u-ryukyu.repo.nii.ac.jp:02004146, author = {Akamine, Kenji and 赤嶺, 健治}, issue = {35}, journal = {琉球大学語学文学論集}, month = {Dec}, note = {A Foregone Conclusion (1875) は Howells の第三作目の小説であるが、執筆に8年をかけ初めて本格的に取り組んだ作品で、作者はこれを“My first novel”と呼んでいる。出版当時の書評で Henry James は、この小説は「真の想像力で劇的な状況」を描く Howells の力量を証明しており、芸術性が高いと述べている。作者は、カトリック教会の神父という地位にありながら、その教義と伝統への懐疑に悩む Don Ippolito の不運な境遇を通して、種々の宗教問題を提示し、それらに対する批判を織り込みながら物語を展開している。視点人物として据えた自らの分身であるベニス駐在アメリカ領事 Henry Ferris の口を借りて作者が提示する問題の中でも最も深刻なのは、30歳になる Don Ippolito 神父自身の不可知論と聖職離脱へのあがきである。同神父は聖職を放棄して発明の才能が生かせるアメリカへ渡ることを望んでいるが、教会の圧力と自らの優柔不断のため決行の時機を逸し続け、懐疑的な神父と反抗的な発明家志望者の偽善的二重生活を送っており、このままではアイデンティティ喪失のみならず背教者として教会や世間から疎外されるのは明白である。Howells は一人の神父の窮状を17歳のアメリカ娘 Florida への思慕の念をからめて描きながら、カトリック教会の人、組織、教義、伝統等の諸問題とりわけ聖職者の本分逸脱を指摘し、それらを厳しく批判する中で、自らの宗教観を明らかにするという効果をあげている。, 紀要論文}, pages = {101--118}, title = {The Plight of a Venetian Priest : Howells's Religious Criticism in A Foregone Conclusion}, year = {1990} }