@phdthesis{oai:u-ryukyu.repo.nii.ac.jp:02019526, author = {尾身, 頌吾}, note = {本論文は沖縄県の伝統木造住宅に関する既往論文を統括的に分析し、その特徴と変遷を整理するとともに重要文化財に指定されるような伝統木造住宅の現状における部材劣化および振動特性を分析したものである。また、この分析と併せて構造解析を行い、簡便な構造性能調査法の確立に向け基盤となるデータベースを作成することを目的としている。 本論文は以下の六章で構成されている。 第一章では日本の伝統木造住宅に対する構造評価の変遷および、沖縄県における伝統木造住宅の現状についてまとめ、また、本論文の目的、調査対象建築物について述べた。 第二章では沖縄における伝統木造住宅に関する既往論文を統括的にまとめ、その特徴や変遷について述べた。 第三章では第一章で述べた重要文化財に指定されるような伝統木造住宅を対象に現況の部材ヤング係数を推定すべく非破壊による応力波伝播速度測定を行った。調査の結果から保存状態の良いイヌマキ部材のヤング係数は新材と同等な値となり、 経年による劣化は見られなかった。 第四章では第三章と同様の対象物件で振動特性を把握することを目的に常時微動測定を行った。沖縄における伝統木造住宅の平均的な固有振動数は 2.5Hz~2.8Hz付近に見られ、特に保存状態が悪い住宅では健全なものと比べ 1Hz程振動数が少なくなった。また、建物の固有振動数は降雨による湿気の影響で睛天時と比べ 1Hz程上昇する傾向が確認でき、台風時等の外力が働く際は、接合部が密になり剛性が増すことが示された。 第五章では現在普及している耐震マニュアルを参考に第三章および第四章で調査した建物の中から二物件に対し限界耐力計算を用いた構造性能評価を行い耐震性能及び耐風性能を検討するとともに耐久性能を補強する上で必要な耐力要素についてシミュレーションを行い、提案をした。沖縄における伝統木造住宅は外壁が少なく、開口部の多さが弱点となり耐震性能が不十分である物件があることが示唆された。前章で述べた固有振動数の値は、今回構造解析を行った 2物件とその他の物件とで固有振動数に大きな差異は見られなかったことから他の沖縄における伝統木造住宅においても地震に対して十分な耐力を有していないことが考えられる。 第六章では前章までの考察を踏まえ本研究の結論および今後の課題をまとめた。}, school = {琉球大学}, title = {沖縄県の伝統木造住宅における構造性能評価に関する研究} }